杜氏のこだわり

酒造りに欠かせない杜氏の経験とカン。
EH酒造の設備がこれを支えます。

うまい酒造りの決め手、それは“チームワーク”

私が追い求める酒は、高望みするときりがないですが、
味があるけど後口に残らないスッキリとした軽い酒、雑味がなく飽きない酒です。

毎年、同じ酒米を使っても、水分含有量や成分などが微妙に違います。
さらに湿度や温度も変化しますから、過去のデータを基にしつつ、酵母や麹菌が働きやすい状況を整えなければいけない。
これを実現するためには、科学的な働きをある程度知っておく必要があり、単に経験とカンだけでやればよいというわけではありません。

ただ、酒の味、香りに大きな影響を与える麹づくりなどでは、科学的なデータだけでは測れない「杜氏の経験」を活かし、杜氏はスタッフ全員にそれを伝え、お互いの意思疎通を密にし、酒造工程に反映させていきます。

うまい酒造りに一番必要なのはチームワークです。
朝から晩まで同じ顔をつき合わせて、一致団結しながら1つの大きな目標に向かって進んでいくわけですから。
自分たちの考えをきちんと話し合い、それを麹づくりやもろみづくりに反映させています。

酒造りの標準的な流れは、本を読めば一通りわかります。
特に、いまは酒造りを大学などで学ぶ機会もありますから、今の若い人たちは私よりも科学的な酒造りをずっと理解しているでしょう。
ただ、理論では成り立たない部分こそが、酒造りの奥深さであり、杜氏のこだわりです。

杜氏の酒造風景
杜氏 鈴木達也